メルセデス・ベンツSLK55 AMG、2Wayスピーカーバッフル製作
今回は、メルセデス・ベンツ SLK55のスピーカーバッフルの製作依頼を頂きました。
円形型や四角形、外形異型のバッフル製作が可能ですが、今回はSLK55純正のスピーカーブラケットをMDF材に複製製作して、開口サイズなどはFOCALのスピーカーに合わせて加工して欲しい、とのことでした。
形状や、バッフル取り付け穴位置、その他全て複製製作しました。
また、耐水性を求めているとの事でしたので、樹脂塗布による耐水処理をしました。
(上記画像は完成後の物です)
スピーカーバッフル製作について
転写シートとなる物を使用して、形状を転写したあと、ベースとなるMDF材に型取りラインを引いて加工して、ペーパーヤスリなどを使って外形形状を整えて行きます。
その後、12mmMDFや18mmMDFに転写加工を施してバッフルを製作します(上記画像)。
基本的にこの段階で外形形状や内径形状は全て出し終わっています。
このあと、このバッフルたちを積み重ねて接着剤で固定します。
接着前に位置合わせをします。 後に、ノギスで測定して左右のバッフルでズレが無いことを確認しますが、ここでも同じ様にノギスでサイズを確認します。
バッフルを接着剤で固定する前にネジ穴を開けて行きます。
基本的には穴を開けていくだけですが、数ミリのズレで位置が合わなくなるので、1箇所穴を開けたらボルトで固定してから2箇所目の穴を開けます。
その繰り返しでズレが無い用にネジ穴位置を合わせつつ開口作業をします。
接着剤を各部に塗布しますが、左右で形状がズレていたら困るので、接着剤が固まる前に各部5~10点程をノギスで測定してズレが無いことを確認します。
ピンネイラで3~4点ほど固定したらクランプで固定します。
この時に、ピンネイラでバッフルを固定しないと、クランプで圧着固定した時に接着剤で滑ってしまい位置がズレてしまいます。
ピンネイラは3~5万円ほどする高価な工具ですが、確実な位置合わせや精度を要する作業には欠かせないな工具です。
加工、穴開け、接着、全て完了して接着剤の乾燥待ちです......
耐水処理として、樹脂塗布をご希望されていたので、主剤と硬化剤を混ぜ混ぜしてハケにて樹脂を塗布しました。
基本的に樹脂塗布とクリア塗装をお取り扱いしていますが、樹脂塗布の場合は表面にプラスチック同等の膜を作ることが出来るため長期間での耐水効果が見込めます。
ただし、塗布時にムラや0.1mm程度の凹凸が発生しますので、目につく所で使用されるバッフルなどの見栄えを重視される場合はクリア塗装を推奨しています。
少し分かりづらいですが、若干の凹凸が出ていますが、ドアの中で使用するバッフルで普段目につかないので耐水性の高い樹脂塗布をしました。
最後にスピーカー取り付け時の下穴を開けます。
基本的に木材に下穴無しでビスを打ち込んでしまうと木が割れてしまいます。
割れ方は木材の種類や材質によって様々ですが、MDFの場合はビスのスクリュー回転の抵抗に負けてしまい、板が三枚おろしされたように割れてしまいます。
(ちなみに、アカシア集成材の場合は木目のつなぎ目から割れてしまい砕けます)
バッフルの完成です!!
接着剤や樹脂の乾燥待ち時間があったので製作に多少時間がかかりましたが、非常に複雑な形状のバッフルが完成しました。
基本的には、内外径サイズ指定のバッフルや今回の様な現物合わせでのバッフル製作を受け付けています。
耐水処理は上記でも説明した通り、樹脂塗布とクリア塗装をご用意しています。
お値段は製作内容、加工内容によって変動しますので一度ご相談ください。
また、バッフル製作については下記ページにまとめてありますのでぜひご覧ください。
最後までありがとうございました。
バッフル製作について
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