当ページは
「初めてカーオーディオ交換をする」
「音質をもっと良くしたい!」
など、これからカーオーディオの交換・構築作業をしようとしている初心者の方へ向けた解説ページです。
実際に私が実車を使用して作業している風景を写真付きで解説していますので分かりやすい内容かと思います。
車両は スズキ アルト HA24S となります。
【使用機材・環境】
・デッキ:Carrozzeria DEH-970
・デッキ:カスタムインストール
・フロントスピーカー:BLAM 165 RS2 2wayセパレート
・ツイーター:ドアミラー裏カスタムインストール
・サブウーファー:Carrozzeria TS-W2510 25cmサブウーファー
・サブウーファーボックス:フルオリジナル製作 バスレフ仕様 ダウンファイヤリング方式
・サブウーファーアンプ:KENWOOD KAC-7203 1000Wアンプ
・デッドニング:済み(ドアアウター インナー鉄板)
失敗しないための各ポイントも解説していますのでぜひ最後まで御覧ください
初心者の方には、目次の順で作業することを推奨しています(理由は各項目に記載しています)。
解説途中で高度な技術やDIYでは難しい作業内容が出て来ますので、全て自己責任で作業を行ってください。
お問い合わせが非常に多いことから当ページを作成しましたが、基礎知識・用語などはこちらにまとめてありますので、合わせて御覧ください。
「デッドニング?なんの機材交換?」
機材関連の作業ではありません。
再生環境を整える・改善する為の作業です。
「どんな効果があるの?」
大きく分けて、スピーカーの音質向上、走行時のロードノイズを低減させる、の2つに別れます。
[音質向上]
・低音がしっかりと鳴る
・内部で無駄な音の反響が無くなるため低音が固くなる
・スピーカー周辺がビビらなくなる(ノイズが減る)
・その他...
[ロードノイズ低減]
・タイヤハウスの施工:石跳ねや水溜りに入った際のノイズ低減
・天井の施工:風切音や雨音の低減
・フロアの施工:タイヤハウスと同様の効果に加えて風切音の低減
・その他...
今回は音質向上に焦点を当てて解説、施工作業紹介をします。
カーオーディオでは、スピーカーが発した音は耳に届くまでに様々な要因で音が悪くなっています。
特に、ホームオーディオの場合はスピーカーボックスを製作する時にしっかりとした設計をすることで、理想通りの音が鳴る音響環境を整えることが出来ます。
しかし、車の場合はそのボックスを設置する空間はありません。
その為、大抵の場合はドアにミッドバスが取り付けられていますが、そのドアは薄い鉄板であってミッドバスが発した低音を受け止めきれずに鉄板が揺れてしまったり、金属製であるため内部で音が反響してしまって低音を再生するには良い環境とは言えません。
それらを改善するために、鉄板の強度を増したり、ドア内部に吸音材を貼り付けて音の反響を防ぐ作業を行います。
それがデッドニングです。
主に、制振材を貼る作業と、吸音材を貼る作業に別れます。
制振材はドアの強度を増したり、サービスホールを塞ぐために使います。
吸音材はドア内部での音の反響を防ぐために貼り付けます。
「初心者の人は何をすればいいの?」
まずは制振材を貼り付けましょう。
制振材の使い方は2種類で
・強度を増す為に鉄板に貼る
・サービスホールを塞ぐ
ドアに制振材を貼り付けて、ミッドバスが音を発した際に鉄板が振動して揺れないように(=振動をしっかりと受け止めるられるように)しましょう。
例えるなら、砂浜でダッシュするのと硬い地面(アスファルトなど)の上でダッシュするの、どちらのほうが足に力が入りますか?
地面(土台)がしっかりしていた方が確実に前に進むための力を足に加えることが出来ますよね。
それと同様で、スピーカーとスピーカーバッフルが乗っている鉄板部分が揺れてしまっては音をしっかりと車内へと鳴らすことが出来ません。
(適切な強度を保ったスピーカーバッフル(例えるならシューズ)を使用していることが大前提です)
「サービスホールを塞ぐ目的は?」
・ドアをボックス化するための密閉
・背面の音と表の音を混ぜないようにする
ネットで調べると、「ドアをしっかりボックス化しましょう!」などと書かれていますが、ドアを完全に密閉化するのは不可能です。
窓の出入り、調整用ボルトを回すためのサービスホールなど、様々な隙間(=塞いではいけない)があるため、ドアを密閉化するのはある程度で大丈夫です。
ドア密閉化も重要ですがスピーカーの表と裏の音が混ざらないように仕切る意味でサービスホールをしっかりと塞ぎましょう。
元の音(スピーカー表面)に対してスピーカー背面の音が混ざるとお互いが打ち消し合って音が消えたり、音質が劣化します。
その後でスピーカー背面の鉄板に吸音材を貼り付けて音の反響を防ぎましょう。
内部で発生した音はドア内で反射・反響して音を劣化させます。
ただし、貼り付けすぎもよくありません(ドア内部全面に吸音材を貼る、など)。
スピーカーの背面に吸音材を貼り付けてある程度の音の反射を防ぐ程度で十分です。
「どのくらいの効果があるの?」
よくご質問を頂くのですが、ユーザーの耳や機材、車種、状況等によって変化するため、「このくらい変化が出る!」とは断言出来ません。
ただし、古い車や軽自動車など初期状態でドアの鉄板が薄かったり強度が足りていない車両の場合程効果を感じやすいです。
と、ここまで記述して来ましたが・・・
デッドニング以前にスピーカーやデッキ(ヘッドユニット)をしっかり構築していない方は、まずは機材の方に金を掛けましょう。
では、施工していきます。
施工前と施工後のドアの音の違いです。
開閉時、叩いた時、でここまで音が変わります。
ドアの内張りを外します。
細かい注意点はフロントスピーカー交換を参照してください。
内張りを外したらまずは、純正で貼られているビニールを剥がしましょう。
ブチルで付いているので、綺麗に剥がします。
多少は残っても大丈夫ですが、後々貼る制振材がしっかりと付かない事がありますので可能な限り妥協せずに剥がしましょう。
以前製作したドアミラー裏のツイーターマウントです。
ミッドバスも外しましょう(バッフルは付けたままで)。
後にサービスホールを塞ぐ作業もしますので、邪魔になる配線やアクチュエーターなども撤去します。
サービスホールに被っている箇所を外す程度で十分です。
サービスホールを塞ぐと言っても完全には塞ぎません。
配線やワイヤー、ロッドが通る為の穴を開ける必要があるので、穴開け位置を確認出来る程度に配線類を外しましょう。
アウター部分の鉄板全面に貼れれば理想ですが、足りなくなる事も考慮してスピーカー背面から順に制振材を貼ります。
貼る時のコツは、闇雲に貼りまくる、ではなくて、ドアを叩いて音が軽い部分、反響している部分に制振材を貼りましょう。
ちょっと余ったので隙間を開けつつ全体的に張りました。
特に、鉄板に強度が無いと思われる部分、プレス加工が入っていない広い箇所や、強度が保たれていないと思われる箇所を重点的に貼りました。
その後で吸音材です(スピーカーを取り外したバッフルから覗いた写真です)
上記でも書きましたが、制振材と同じでスピーカー裏から貼りましょう。
ただし、ドア全面に貼る必要はありません。
ドア内部での反響を多少保つ為、スピーカー裏全面と、ドア中心の部分のみ貼りました。
内部をキッチリと仕上げたら、サービスホールを塞いで完成です。
制振材の残量が足りなくなりそうだったので、節約しつつ貼りました。
写真にもあるように、サービスホールを塞ぐ際には配線やワイヤー、ロッドなどが内部に入ってしっかりとワイヤーやロッドが駆動することを確認しましょう。
このアルトHA24Sはワイヤーですが、ロッドの場合は制振材の粘着がロッドに触れてしまって動かない、動きが鈍い、とならないようにしましょう。
特に、制振材に使われているブチルは暑い環境下では溶けるようにドロドロになって粘度が下がって粘着力が増します。
デッドニング作業を行ってきましたが、上記でも書いたように適したバッフルをしっかりと取り付けた状態で行うようにしましょう。
土台がしっかりしていないのにデッドニングをしても効果を発揮できません。
作業自体は非常に簡単ですが、物体が駆動した時の状況を脳内で想像できる人ほど上手く行きやすい作業かと思います。